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特定技能「産業機械製造業」は人材不足解消の一手!雇用方法を解説します

2022-06-10 07:58:08 1517 view
日本では、さまざまな分野で人材不足が進んでいます。そうした事態を打開するため、2019年4月、政府が新設したのが外国人の在留資格「特定技能」です。特定の技能を持った外国人の就労制度があらためられ、一定の技術を持つ外国人材が産業やサービスの現場で働けるようになりました。 特定技能には14業種ありますが、それらの中から今回は「産業機械製造業」を解説します。また、外国人材を採用するために知っておきたい試験制度や在留資格についても説明します。 特定技能「産業機械製造業」とは? 現在、日本では少子高齢化の影響により、さまざまな業界で人材不足が進んでいます。この問題を解決するため、2019年、政府は特定技能の在留資格を新設しました。特定技能の在留資格が認められているのは14業種です。「産業機械製造業」もそのひとつです。 「産業機械」とは、工場や事務所内で利用される機械全般のことです。一例として、建設機械や農業機械、工業機械が挙げられます。 つまり「産業機械製造」とは、そうした機械を作る産業を指し、日本の製造業を支えるために不可欠な業界であり、日本の社会インフラを整備するにも、重要な役割を担っています。 特定技能「産業機械製造業」は1号のみ 特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があり、外国人材が保持する技能レベルに応じて、1号と2号に分けられます。しかし、14業種ある特定技能のうち、特定技能1号と2号の両方がある業種は、「建築業」と「造船・船用工業」の2業種のみです(2021年8月現在)。産業機械製造業については「特定技能1号」のみ、認められています。 在留資格認定証明書の交付を一時停止中 ※2022年4月時点 産業機械製造業分野における特定技能1号外国人数が、2022年2月末現在で5,400人(速報値)となり、受入れ見込数である5,250人を超える状況となったことから、在留資格認定証明書交付の一時停止することとなりました。特定技能1号への在留資格の変更、在留期間の更新については、要件を満たしていれば許可がおります。 ▶特定技能「産業機械製造業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置等について|出入国在留管理庁 特定技能が創設された背景 日本では、世界に例を見ないスピードで少子高齢化が進んでいます。それにより、人材不足はますます深刻化しています。日本商工会議所と東京商工会議所が2018年度に行った調査によれば、人員が「不足している」と回答した企業は、対象企業の66.4%でした。また、東京商工リサーチの調べによると、2020年度上半期(4-9月)に人手不足が関連して倒産した企業は、215件、前年同期比と比べると4.8%増でした。 さまざまな業界で人手不足が見られますが、なかでも産業機械製造業の現状は深刻です。工作機械やロボットなどの産業機械に対する需要が高まっているにも関わらず、平成29年度の産業機械製造業に関連する職業分類における有効求人倍率は、2.89倍。今後も人材不足はさらに進み、経済産業省は、産業機械製造業における人手不足の見込み数は、2023年までに7万5,000人になると予測されています。 こうした事態を打破する一手として、政府は新しい在留資格「特定技能」を定めることにより、外国人技術者の受け入れを可能にしたのです。 特定技能についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。 特定技能「産業機械製造業」で外国人材が行うことのできる業務 特定技能「産業機械製造業」では、次のとおり、18 の業務を行うことができます。 鋳造:金属を型に流し込み製品を製造する 鍛造:金属を打撃・加圧することで強度を高めたり、目的の形状にしたりする ダイカスト:溶融金属を金型に圧入して高い精度の鋳物を短時間で大量に生産する 機械加工:旋盤、フライス盤、ボール盤等の各種工作機械や切削工具を用いて金属材料等を加工する 金属プレス加工:金型を用いて金属材料にプレス機械で荷重を加えて、曲げ、成形、絞り等を行い成形する 鉄工:鉄鋼材の加工、取付け、組立てを行う 工場板金:各種工業製品に使われる金属薄板の加工・組立てを行う めっき:腐食防止等のため金属等の材料表面に薄い金属を被覆する 仕上げ:手工具や工作機械により部品を加工・調整し、精度を高め、部品の仕上げ及び組立てを行う 機械検査:各種測定機器等を用いて機械部品の検査を行う 機械保全:工場の設備機械の故障や劣化を予防し、機械の正常な運転を維持し保全する 電子機器組立て:電子機器の組立て及びこれに伴う修理を行う 電気機器組立て:電気機器の組立てや、それに伴う電気系やメカニズム系の調整や検査を行う プリント配線板製造:半導体等の電子部品を配列・接続するためのプリント配線板を製造する プラスチック成形:プラスチックへ熱と圧力を加える又は冷却することにより所定の形に成形する 塗装:塗料を用いて被塗装物を塗膜で覆う 溶接:熱又は圧力若しくはその両者を加え、部材を接合する 工業包装:工業製品を輸送用に包装する 特定技能1号「産業機械製造業」を取得するには? 外国人材が特定技能1号「産業機械製造業」を取得するには、二つの方法があります。一つ目は、「産業機械製造業分野の特定技能1号評価試験」と日本語検定に合格して資格を取得するという方法です。 二つ目は、「産業機械製造業」分野の技能実習2号から移行する方法です。 「産業機械製造業」分野特定技能1号評価試験に合格する 特定技能1号「産業機械製造業」を取得する一つ目の方法は、「産業機械製造業」分野特定技能1号評価試験に合格する、というものです。 産業機械製造業だけではなく、在留資格「特定技能」を取得するには、特定技能14業種がそれぞれ独自に定めた「特定技能評価試験」に合格する必要があります。 「産業機械製造業」の場合は、経済産業省の定める「製造分野特定技能1号評価試験」に合格しなければなりません。 さらに、日本での労働に必要な日本語水準を満たしていることを証明するため、規定の日本語試験に合格する必要があります。 特定技能試験については後ほど詳しく説明します。 「産業機械製造業」分野の技能実習2号からの移行 外国人材が特定技能1号「産業機械製造業」を取得するための、二つ目の方法は、「産業機械製造業分野の技能実習2号から移行する」というものです。 「技能実習2号」とは、1993年に導入された「技能実習」ならびに「研修」制度です。新設された「特定技能」の制度が整備されたことにより、外国人材は「技能実習生」から「特定技能」へ移行できるようになりました。これにより、これまで日本に滞在していた技能実習生は、在留資格「特定技能」を得ることで、追加で最長5年間、日本に滞在できるようになります。また、「産業機械製造業」分野の特定技能1号評価試験は免除されます。 下記に挙げた技能実習の職種は、試験なしで特定技能1号『産業機械製造業分野』へ移行できます。 (経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて」をマイナビグローバルで加工) 「産業機械製造業」分野特定技能1号評価試験とは? 外国人材が特定技能1号「産業機械製造業」を取得するには、「技能測定」と「日本語」の、二つの試験で一定の成績をおさめる必要があります。 ここでは「産業機械製造業」の特定技能試験について解説します。特定技能試験の制度や受験資格などについては、こちらの記事で紹介しています。 「産業機械製造業」分野特定技能1号評価試験 「産業機械製造業分野特定技能1号評価試験」は、受験者が技能水準を満たしているかを評価する技能試験です。 特定技能1号「産業機械製造業」を取得するには、経済産業省が行う試験に合格しなければなりません。 技能試験 「製造分野特定技能1号評価試験」 実施場所 2019年度は、インドネシアで実施(2020年度は国内でも実施予定) 試験言語 主に現地語 実施方法 学科試験、実技試験 試験区分 19試験区分(鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、 工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、 電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、 塗装、溶接、工業包装) ※レベルは技能検定3級相当(技能実習2号修了相当) 製造業における特定技能外国人材の受入れについて(経済産業省):PDF 試験の日程や試験の実施状況はこちらの記事でまとめています。参考にご覧ください。 日本語試験に合格する 特定技能1号「産業機械製造業」の特定技能資格を取得するには、日本での就業や生活が可能な日本語能力を持っているかを確認する必要があります。そのため、日本語能力試験JLPTのN4以上、もしくは国際交流基金日本語基礎テストに合格しなければなりません。 「日本語能力試験」 日本語能力試験のレベルは5段階。基礎のN5から幅広い場面で使われる日本語のN1までがあります。「産業機械製造業」分野の特定技能資格取得に際し、「日本語能力試験」を活用する場合は、N4以上が必要です。N4は、「基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる」「日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる」というレベルです。試験は通常、年2回開催されます。 「国際交流基金日本語基礎テスト」 日本の生活場面でのコミュニケーションに必要な日本語能力を測定し、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定するテストです。試験は通常、年5回開催されます。 特定技能「産業機械製造業」の外国人材を採用するには? 特定技能「産業機械製造業」資格を持った外国人材の採用を検討している企業は、どうすれば受け入れることができるのでしょうか。 特定技能外国人を雇用する企業を、「特定技能所属機関(受入機関)」と呼びます。産業機械製造業で特定技能外国人を受け入れる特定技能所属機関(受入機関)は、以下3つの条件をすべて満たす必要があります。 1、事業所が以下の日本標準産業分類に該当している 特定技能「産業機械製造業」の外国人材を採用する事業者は、下記の日本標準産業分類に該当している必要があります。 製造業における特定技能外国人材の受入れについて(経済産業省):PDF 2、支援体制の義務を果たす 特定技能所属機関(受入機関)が特定技能1号外国人を雇用するためには、「事前ガイダンスの提供」「日本語学習の機会の提供」など、各種支援を行うことが義務付けられています。 ただし、受入機関はこの支援業務を「登録支援機関に委託する」ことができます。登録支援機関の詳細は、下記の記事で紹介していますので、ご覧ください。 3、産業機械製造業分野特定技能協議会への加入 特定技能所属機関(受入機関)は、経済産業省が組織する「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」に加入する必要があります。これは、経済産業省、法務省、地方自治体と、素形材産業分野・産業機械製造業分野・電気・電子情報関連産業分野の、いわゆる「製造業3分野」によって構成される組織のことです。協議・連絡会では、以下の活動により、構成員の連携強化や事業者の情報把握などを行います。 注意すべきポイントは、外国人材の受け入れ前に協議・連絡会への加入しなければならないことです。他分野では原則、初回受け入れ開始後の加入で問題ないため、間違えないようにしましょう。 また、2021年10月現在、加入手続きが混みあっており、3~4か月程度の期間を要します。早めの手続きがおすすめです。 【活動内容】 特定技能「産業機械製造業」の外国人を受け入れる制度の趣旨や優良事例の周知 特定技能所属機関等に対して法令遵守の啓発を行う 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報把握及び分析 地域別の人手不足の状況の把握及び分析 特定技能外国人受入れに必要なその他の情報・課題等の共有・協議 まとめ 古くから「モノづくり」が盛んな日本において、産業機械製造業はいわば「縁の下の力持ち」といえる産業です。少子化や高齢化の影響により、このまま人材不足が進めば、日本のさまざまな産業は衰退し、国際的な競争力を失ってしまうかもしれません。日本の未来のためにも、特定技能「産業機械製造業」の外国人材の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

外国人技能実習制度とは

2022-06-02 06:27:46 1464 view
外国人技能実習制度とは About Technical Training System 技能実習制度の目的 開発途上地域に日本の技能、技術または知識を移転するために、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的としています。 技能実習生の区分と在留資格 入国後1年目の技能等を修得する活動(技能実習1号)と2・3年目に修得した技能等に習熟するための活動(技能実習2号)に分けられます。 ※入国後4年目、5年目は優良団体・実習実施者に限定した拡充処置 技能実習の仕組みについて Technical Training System 技能実習生の受入人数枠・モデルケース Number of people accept & Model case 外国人技能実習生の受入人数枠 外国人技能実習生の受入人数枠は組合員様(実習実施者)の常勤職員総数により初年度は以下の様に規定されています。   モデルケース 外国人技能実習生の受入を希望される組合員様で、常勤職員30名以下の場合を下図に示します。 ※ 優良な監理団体・実習実施者に認定された場合には拡充措置があります。 技能実習2号を良好に終了等、所定基準を満たした実習生については技能実習期間が2年延長(3⇒5年)され、技能実習3号として受入れができます。 技能実習生の受入人数枠を以下の様に増やすことができます。 ・技能実習生1号 基本人数の2倍 ・技能実習生2号 基本人数の4倍 ・技能実習生3号 基本人数の6倍

面接で求職者の本音を聞き出すには?人柄がわかる質問集を紹介

2022-05-20 04:45:03 2124 view
採用過程において、面接は求職者の人柄に直接触れられる数少ない機会です。自社の発展に貢献してくれる人材を見極めるうえでは、ぜひとも求職者の「本音の部分」を引き出しておきたいところでしょう。 しかし、「ネガティブな側面をなるべく見せたくない」という心理から、求職者の中にはマニュアル的な対応が見られたり、話に脚色が加えられたりするケースもあり、「本来の姿」を見定めるのはそう簡単ではありません。 面接を形式的なものに終わらせず、企業側として知っておきたい部分を確認するためには、質問の方法や内容を工夫しながら、求職者の価値観に焦点を当てていく必要があるでしょう。 この記事では、求職者が本音で話すことのできる採用面接のポイントを整理したうえで、人柄を知るための質問を例示していきます。 求職者が本音で話すことのできない原因 面接で知りたい内容を引き出せない場合、企業側と求職者側とで何らかのすれ違いが生じている可能性があります。大きな原因としては、面接に際しての心理的ギャップや、コミュニケーション上のミスマッチなどが考えられるでしょう。 ここでは、面接での率直な反応を阻害しうる要因について具体的に解説していきます。 求職者の緊張感や警戒感がほぐれていない 採用面接は、求職者にとって「失敗できない場面」です。そのため、「自分のいい面を積極的にアピールしよう」という方向よりも、「悪い面を見せないようにしよう」という心理が働くことも多くなります。こうしたリスク回避の意識は、緊張や警戒感を強め、本音を覆う防護壁となりえます。 緊張感や警戒感を解きほぐすためには、求職者の人間性や人柄を受容する空気を形成することが重要です。緊張をほぐすための「アイスブレイク」となるやり取りに時間をかけたり、求職者の話に対して共感的な態度を積極的に示したりすることで、「話を聞いてもらえる」という印象を与えることが、本音を引き出すための前提となるでしょう。 なお、「アイスブレイク」の重要性や具体的な取り入れ方については、こちらの記事で詳しく扱っております。ぜひ併せてご参照ください。 求職者側のハードル設定が高い 求職者が志望先で働くことに対して、あまりに高いハードルを設定していると、面接で「肩に力が入りすぎてしまう」状況に陥ることがあります。業務で求められる技能の水準を過剰に高く見積もっていたり、その業界や職種について現実とかけ離れた理想を抱いていたりすると、「いいところだけを見せなければ」という思いが強くなり、本来の姿を見せにくくなるかもしれません。 こうした認識のギャップは、入社後の不適応の原因にもなりえます。事前の対策として、求人サイトや会社説明会などを通じ、業務の雰囲気や求められている水準を適切に伝えておくことが大切です。それが難しい場合には、面接の場で直接「どのような業務を行い、どのような役割が期待されているか」をこちら側から説明しながら進行することも有効でしょう。 テンプレート的な質問に終始している 面接で質問する内容がオーソドックスなものばかりだと、やはり求職者の価値観や考え方を深く知ることも難しくなるでしょう。 志望動機やアピールポイントなど、面接で頻出する質問に対しては、あらかじめ求職者側も答えを用意していることが多いです。「すでにある答えをスムーズに提示できるか」も大事なチェックポイントではありますが、そこから理由や背景を掘り下げていくような工夫がないと、やり取りが形式的なものに終わってしまいます。 「知りたいこと」に焦点を合わせながら、あらかじめ質問内容を検討し、話の流れに応じて理解を深めるための問いを発していきましょう。 「何を知りたいか」が明確に伝わっていない 一般的に、面接においてより多くの情報を得るためには、「はい/いいえ」で答えられるクローズド・クエスチョンよりも、「なぜ」「どのように」を問うオープン・クエスチョンの方が適しています。展開に合わせてオープン・クエスチョンを重ねていくことで、求職者の価値観や思考様式について多くの情報を得られるでしょう。 ただし、オープン・クエスチョンには「答えの方向性が見えにくくなる」リスクも付いてまわります。漠然と「なぜ」と聞かれても、どういう角度から答えればよいのかがわからず、答えに窮してしまうこともあるでしょう。 そのため、問いが抽象的なものになる場合は、答えの具体例を示しながら問いを発するなど、面接官側がある程度筋道を立てる必要があります。たとえば志望動機について、「自己実現」という言葉が曖昧なまま使われている時、「あなたにとって、自己実現とはどのようなことを指しますか?」で終わらせてしまうと、方向性がやや掴みにくいかもしれません。「仕事での達成感やプライベートの充実など、自己実現に欠かせないと思うポイントを教えてください」などと付け加えることで、答えの着地点が見えやすくなるでしょう。 面接時に人柄を見せてもらうためのポイント 面接で求職者に本来の姿を出してもらうためには、「自分を出しても大丈夫」という安心感を抱いてもらう必要があります。求職者の話に対し、興味を示しながら耳を傾ける姿勢を前面に出していきたいところです。以下では、そうした受容の姿勢を示す際に重要なポイントについて解説します。 相づちを積極的にうつ 採用面接という場面で、いきなり人柄をさらけ出すことは誰にとっても困難です。そのため、求職者の人柄を見せてもらうためには、裁量権のある面接官の方から積極的に共感の態度を示していくことが望ましいでしょう。 求職者の話に対して相づちを積極的にうつなど、「自発的に話すことを促せるか」が本来の人間性を垣間見るためのポイントになります。「なるほど」「そうなんですね」といった反応のほか、「それは面白い」など相手に関心を寄せていることを明確に示す反応を取っていきましょう。 さらに、面接をオンラインで実施する場合には、リアクションを大きめに取ることが望ましいです。Web面接は相手の表情や呼吸を細かく読み取ることが難しく、単調なやり取りになってしまうことも考えられるため、大きめかつ多めのリアクションを心がけるとよいでしょう。 面接官側から開示する姿勢を示す 面接官には基本的に「共感的な聞き手」としての立場が求められます。しかし一方で、ただ聞いているだけでは相手に「本当に話に乗ってくれているのだろうか」という不安を抱かせることもあるかもしれません。 面接官側も必要に応じて自らの情報を開示することで、場が温まり、相手が自分を出しやすい雰囲気が形成されると考えられます。もちろん、面接の目的は求職者の話を引き出すことですから、不必要に多くは語らず、相手の文脈に乗じ、話の流れを補強するような形でコミュニケーションを図りたいところです。 また、話の流れに合わせて業務内容や職場環境について話題に挙げることも、求職者側と認識をすり合わせるうえで有効でしょう。 本音を聞き出す質問例 実際に、求職者の本音を聞き出すうえで有効な質問にはどのようなものがあるでしょう。 まず考えられるのは、「答える準備をしていない質問」を投げかける、という方向性です。あらかじめ用意された答えよりも、その場で考えられた答えの方が、本心は反映されやすいと考えられます。 ただし、あまりに突飛な内容について聞いてしまうと、質問の意図が伝わらず、やり取りが噛み合わなくなるかもしれません。さらに、プライベートに関わる内容を不必要に聞いてしまえば、ハラスメントにつながるリスクもあります。 本音を聞き出すためには、「テンプレートとは別の角度からの質問」も意識しつつ、「最終的に何を確認したいのか」を見失うことなく問いを深めていくことが大切です。 志望動機に関する質問 志望動機をめぐる質問は面接において必出であるために、多くの求職者が事前に答えを用意していると考えられます。しかし、問い方を変えてみることで、用意されたものとは別の要素に光を当てられるかもしれません。たとえば、以下のような質問が考えられるでしょう。 ●この会社にどのようなことを期待していますか? 会社に対するイメージや求職者の仕事観を、志望動機とは異なる角度から推し量るための質問です。通常、志望動機として用意されている答えは、「貢献する側」の視点から考えられているケースが多いですが、「何かを受け取る側」としての視点は想定されていない可能性も大いにあります。 求職者の心理からすれば給与などの条件面は挙げにくいと考えられますので、おのずと「どのような環境で、どのように働きたいか」といった角度から答えが導き出されることになるでしょう。 ●会社を選ぶ際に重視する点は何ですか? 志望動機そのものを聞く場合に比べ、仕事やキャリアに対する考え方に焦点を当てた質問です。「自社を選んだ理由」ではなく「就活一般における基準」を聞くことで、用意されたものとは異なる観点が提示されることもあるでしょう。 転職理由に関する質問 中途採用の場合、企業側としては転職理由を知っておきたいところでしょう。とはいえ転職の理由は頻出の質問であるために、あらかじめ答えが用意されており、「本当のところ」がわからないケースもしばしばです。質問の仕方を変えてみることで、別の角度からの答えを引き出してみましょう。 ●現段階で転職を選択したのはなぜですか? 転職理由そのものではなく、「なぜ今か」に重点を置いた聞き方です。転職のタイミングについては明確な理由づけが用意されていない可能性も高いため、「キャリア設計における自社の位置づけ」を知るうえで有効な質問となりえます。 質問する際に注意したいのは、「なぜ今でなくてはいけないのか」といったニュアンスが強く出ないようにすることです。「今でなくてもいいのでは」というように受け止められると、圧迫的な印象を与えかねないため、あくまで「キャリアの見通し」に関連した質問であることが相手に伝わるように聞く必要があります。面接の流れに合わせて、「キャリア設計やライフプランの視点からお答えください」などと補い、ある程度答えに筋道をつけるとよいでしょう。 ●「これがあれば前の会社に残ってもいい」というポイントはありますか? 前社に欠如していたポイントを間接的に問うことで、「働くにあたって譲れない要素」を読み取るための質問です。万が一「どんな条件でも残りたくない」といった趣旨の答えが返ってきた場合には、「とくに許容できないと感じるポイント」を複数挙げてもらうなどすれば、聞きたい内容を補うことができるでしょう。 仕事への向き合い方に関する質問 「その人が物事をどう捉え、何にやりがいを感じるか」といった仕事観についても、面接を通して確認しておきたいところです。 ●ご自身の人生のなかで大きな成功をした経験について、具体的なエピソードと、そこから得たものについて教えてください 採用面接においてしばしば聞かれる質問ですが、自身の経験をストーリーとして結びつける際には考え方や価値観が見えやすくなります。「物事をどう受け止め、どう行動につなげていくか」といった傾向を読み取るために、「挫折や困難を乗り越えた経験」「達成感を覚えた経験」など同種の質問を複数行うのもよいでしょう。 ●10年後に「こうなっていたい」というご自身のイメージについて教えてください/「将来こうはなりたくない」というイメージを教えてください セルフイメージのネガ・ポジ両面について尋ねることで、キャリアの見通しや、自己認識のあり方について知るための質問です。具体的な内容を聞き出すのではなく、求職者の価値観を総体的に捉えるうえで有効だと考えられます。 適性や能力に関する質問 求職者の得手不得手や、特定の業務に対する適性などを確認する際に有効な質問です。 ●「この仕事は任せてほしい」という業務と、「できるなら避けたい」という業務について教えてください 得意分野と苦手分野を知るための質問です。別個の質問として聞いてもよいですが、話の流れによっては「現実が見えてないと思われるかもしれない」「選り好みしていると思われるのでは」など、率直に答えることをためらう求職者もいるかもしれません。 併せて聞かれれば「特性について知りたい」という意図が明確に伝わり、答える側としても得手不得手を関連づけながら話を展開できると考えられます。ただし、業務の内容についてある程度想定できていることが前提となる質問ですので、全体像が明瞭でない場合には、情報開示の意味でも簡単に業務の構成について前置きしておくとよいでしょう。 ●仕事をするうえで課題に感じていることは何ですか? スキル面やコミュニケーション面など、業務遂行において求職者がネックとして自覚しているポイントを知るための質問です。 得意なことや将来のビジョンについては話を組み立てやすいですが、苦手意識のあるものについてスムーズに思考を展開することは難しく、直接「苦手な仕事はありますか」と聞いても率直な答えが返ってこない可能性もあります。「課題」や「改善点」など前向きな言葉を使って尋ねることで、苦手意識についても話しやすくなるでしょう。 知りたいポイントに焦点を合わせ、業務の遂行や、組織における役割など、いくつかの観点から質問するのも有効です。 まとめ 求職者の本音を引き出すために、質問の内容を工夫することはもちろん重要です。しかしその前提として、求職者の「人柄そのものを受容する」空気を形成しておくことが、面接を実りあるものにする条件となるでしょう。 採用面接では、求職者が「本来の自分を出したいが、出し方がわからない」という心理状態に陥っていることも多いです。面接官側から歩み寄る姿勢を見せながら、相手の人柄に対して関心を寄せていることを好意的なリアクションで示していきましょう。 テンプレート的な内容とは異なる角度から質問していく際には、「企業側として何を確認しておきたいか」という点を明確にしておくことが大切です。物事の捉え方や考え方の傾向、判断と行動の様式など、焦点を明確にすることで質問の有効性も高まると考えられます。