Category: 実習生採用ブログ

【外国人面接の注意点】内定辞退・入社辞退を防ぐポイント

2022-05-12 03:07:14 1388 view
【外国人面接の注意点】内定辞退・入社辞退を防ぐポイント 少子高齢化による労働人口減少によって、日本ではすでに労働力の取り合いが始まっています。インターネットやSNSの発展で、今まで公にされてこなかった、会社の良い口コミも悪い口コミも簡単に出回る時代になりました。職選びの判断材料や選択肢が増えたことで、労働市場から「選ばれる企業」と「選ばれない企業」の2極化が進んでいます。そのような中、外国人の面接を担当する人事の方からよくあがる声は下記の通りです。   外国人との面接がうまくいかない 入社意欲を高める面接フォローをしたい 内定辞退・入社辞退されないポイントを知りたい   最終面接が終わってもなお、候補者は様々な情報にアクセスできるので、詰めが甘いと内定・入社を辞退される可能性もあります。本記事では、外国人候補者が実際に内定辞退・入社辞退した時の真の理由を取り上げ、面接を候補者の「見極め」の場だけでなく、「入社意欲を高める」場とするポイントをご紹介します。 面接官の役割 面接官の役割は「見極め」と「動機付け」の2つにわけられます。「見極め」とは要件に沿って候補者を選別すること、「動機付け」とは候補者に自社の魅力を理解させ、入社へと導くことです。実際、多くの企業が「見極め」の側面のみ注目する傾向があります。広辞苑で「面接」の意味を調べると、「直接その人に会うこと」や「人柄や能力を知るために、その人に直接会って試問・助言などをすること」といった意味が出てきます。「助言」という要素があることからわかるように、本来ならば、「動機付け」にも焦点が当てられるべきです。同じくよく使われる言葉に「選考」がありますが、「はかりしらべること。当否、適不適、能力の有無などをしらべること。人物、才能を審査すること」という意味です。そちらの意味合いが世間により広く受け止められているようです。   外国人面接の注意点・内定/入社辞退の理由 外国人の内定・入社辞退の理由は時として日本人の想像をはるかに超えています。例えば、配偶者の帰国に合わせて海外の大学院試験を受け、合否判定を待っていることを隠しながら就職活動をしていた人や、日本で就職活動をしていたが交際相手と破局の末に帰国することにした人など、日本人が思いつかないような内定・入社辞退理由が様々あります。そのような珍しいケースはさておき、いずれにせよ、どんなに良い候補者と出会えたとしても「動機付け」ができていないと辞退されてしまいます。次からは、よくある辞退理由をご紹介します。   【面接中】 面接中に会社のイメージが悪くなったから 原因は様々あり、面接官の態度、身なり、差別的発言、職場の雰囲気などです。外国人候補者の中には、日本の就職事情に不慣れな場合や、仕事や働くことそのものへのスタンスが日本人とは異なる場合があるので、日本人と同様の対応をすると思わぬ方向へ結論を導いてしまいかねません。面接官が外国人なら大丈夫かと言われると、それも安心とは言えません。たしかに言語面では安心して任せられるかもしれませんが、外国人同士という親近感や偏見など、個人の好き嫌いで合否を判断してしまうケースがみられます(例:自分と同郷のアメリカ●●州出身だから気が合うに違いないなど)。しかも、担当面接官が将来、異動や退職する可能性もあるので、合格者と同じ職場で働くとは限りません。担当面接官と同じ職場であるかに関わらず、受入企業で活躍・定着する人材を採用するべきです。面接官個々の価値観に基づいた発言が思いもよらず企業イメージや候補者の入社意欲を下げてしまう危険がある他、長期的にみた定着率も心配になります。   【内定直後】求人票内容と面接後に口頭で聞いた仕事内容に相違があったから 海外では日本のような総合職採用はなく、ポジション別採用が基本です。そのため、採用時に取り決めた業務範囲から外れる業務には従事しないのが当たり前であり、それはさせることは相手を冒涜しているとすら捉えられます。このように、決められた業務範囲にコミットする働き方はピラミッド型と表現されます。一方、日本では業務範囲が曖昧で、状況に応じて助け合う働き方が推奨されています。形がはっきりしていないことからアメーバ型と表現されます。日本では仮に求人票に明示されていなかった仕事を指示されても、そこまで大きな問題には発展しませんが、外国人の多くはとてもシビアに捉えます。採用段階で仕事内容を曖昧にしてしまうと、面接時や入社後に思わぬトラブルを招くことになります。   【入社直前】他社から好条件のオファーをもらえたから 内定後も職探しを継続する理由はいくつか考えられますが、2つ取り上げます。1つ目は、内定・入社の実感があまりわいていないケースです。最近は選考のほとんどがオンラインで実施される企業もあります。そうすると、企業と候補者が直接的な接点を持ちづらく、内定・入社の実感を得られない傾向が増えています。企業からのコミュニケーションが少ないと、入社を歓迎されていないなど候補者が不安になる可能性もあります。   2つ目は、文化・コミュニケーションスタイルの違いです。例えば、日本人の考え方は集団主義寄り、欧米圏の外国人は個人主義寄りと言われます。集団主義寄りの日本人候補者は集団の調和を尊重し、失礼のないように振る舞おうとするので、内定辞退や入社辞退に対して「せっかく内定をもらったのに申し訳ない」という感情を持つ人もいるでしょう。一方、個人主義においては、集団よりも個人の意見が尊重されるので、自分の心の内を語る人こそ誠実な人と考えます。したがって、内定辞退や入社辞退に対して遠慮の気持ちはほとんど見られず、日本企業の採用人事からするととても薄情に映ることもあります。 また、コミュニケーションのスタイルも異なります。コミュニケーションはハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の2つに分類されます。各国どちらの文化に属するか、その程度はまちまちですが、日本と海外諸国を比較すると、日本は極端なハイコンテクスト文化だと捉えて差し支えないでしょう。日本のハイコンテクスト文化では、コミュニケーションは「受信者」の責任という考え方が一般的です。1を聞いて1しかわからない人は勘所が悪い人と見なされます。一方、日本以外のローコンテクスト文化では、コミュニケーションは「発信者」の責任です。1しか聞かなければ1しかわからないのが当然であり、「説明していないあなたの責任」だと思われます。この考え方がそろっていないと、コミュニケーションでのずれが多発する可能性があります。したがって、内定が出れば、企業側の心の内を察して、言わずもがな前向きに入社を検討してくれるだろうといった、日本人候補者と同様の期待を外国人候補者に抱くと失敗します。   内定辞退・入社辞退を防ぐ対策例 次からは、入社意欲を高めて、内定辞退・入社辞退を防ぐ対策例をご紹介します。   面接官を事前にトレーニングする 面接官は人事担当者だけでなく、現場社員や経営層も関与することがありますが、面接官個人の価値観に基づいた発言や態度は時として企業イメージにダメージを与えることがあります。そこで、関わる全ての面接官が採用目的および採用条件について共通認識を持てるよう面接官向けのハンドブックをつくるとよいでしょう。尚、情報量が多すぎると混乱をきたすので、「熱い」や「わくわく」など、 出来るだけ直感的でわかりやすい表現を心がけると、共通認識としてイメージしやすくなるでしょう。   面接に会社紹介の時間を入れる 面接時に会社説明の時間を設け、どのような企業イメージを持ったか、会社に何を期待しているかなど、候補者から率直な意見を聞き出してみましょう。誤解が見つかればその場で直ちに修正できるので、早めに手を打てます。また、外国人社員がいれば、説明員をさせるのも手です。言語の壁がない分、本音で話しやすくなります。なお、価値観をすり合わせる際は、候補者が大切にしている組織に所属する魅力要因(4P)を重点的に確認すると効果的です。企業のミッションと候補者の達成したいことを接続できると、入社に対する納得感や入社意欲が高まります。4Pの中の「目標の魅力」と「人材の魅力」を例に、確認に使える質問例を紹介します。   ※組織に所属する魅力要因(4P)とは? 弊リンクアンドモチベーショングループが社会心理学等をもとに、人が組織に所属する魅力要因を整理したフレームワークです。企業に所属する理由は国籍に関係なく一人ひとり異なります。例えば、「このチームが好きだから」「〇〇さんと働けるから」のように、人員構成は組織に所属する魅力の1つです。このように人が企業に所属する理由は給与や条件面だけではありません。このフレームワークを活用すれば、外国人候補者・内定者にとって企業に所属する魅力・意味を見える化しやすくなり、入社前の時点から企業と外国人候補者・内定者のエンゲージメントを維持・強化できます。   目標の魅力 (候補者)園訓「創造工夫できる子どもを育てる」に共感。とにかくこどもの自由な発想を尊重したい。 →どのように子ども達の自由な発想を引き出したいですか(補足説明の例:自由といっても完全な放置や自己流だめ。園のやり方に則って子どもたちと接することが出来るかを大切にしています。)

注目:外国人技能実習生を採用のメリット

2022-05-11 09:49:12 2174 view
注目】外国人技能実習生を採用のメリット 2021年10月26日   チョー こんにちは、こちらの記事では海外人材の今について書いています。 是非、気になる方は一読お願いします! コロナ禍の移動制限下では、やはり国内に在留中の外国人に対して採用活動を進める傾向と、緩和されている一部の国からの採用が主な外国人材採用の傾向となっています。 2020年末時点、法務省公表の在留外国人数(在留資格別)によりますと、技能実習生378,200人で、永住者に次いで2番目に多い在留資格者となり、就労ビザの中では一番多い数値となっています。 現在、日本で技能実習生として活動している外国人の履歴と今後の動きに合わせて、企業にマッチングした実習生を求人することが、ポイントとなり、優良な監理団体と送り出し機関との連携が大きなメリットを生み出すでしょう。   日本人社員に変わる外国人社員採用のメリット 売り手市場の今、日本人社員の採用が難しくなっている中、外国人人材に視点を合わせて採用を検討している企業が増加しています。 グローバル戦略の一環として2020年までに外国人留学生を30万人増やす計画から、発展途上国のための国際貢献として海外から技実習生を受け入れている技能実習制度、そして、2019年よりスタートした新しい制度、特定技能などは、少子高齢化に伴う企業の人手不足を解消するためや、日本のグローバル化を目指した日本政府が示す外国人受け入れの一連の流れとなります。 これらの制度を活用して来日している在留外国人数は、ほぼ右肩上がりに増加傾向にあり、企業が求める人材の条件に、日本人社員枠に変わる外国人社員の動向が見られます。 外国人社員の採用に関しては、海外からの採用フローに時間を要するという点がありますが、日本人社員を採用するまでのコストや教育の手間を考えると、例えば外国人技能実習生を採用する場合に優秀な監理団体のサポートで人材確保に繋がれば、採用のためのリスクは最小限に抑えることも可能となります。 外国人技能実習生のモチベーションと職場環境向上のメリット モチベーション高く来日している外国人技能実習生を受け入れる企業では、現社員にも良い影響を与え、職場環境の活性化や生産性の向上などに繋がる傾向にあります。 技能実習制度は、母国への国際貢献として実習生は働きながら日本の技術を学ぶという目的となっていますが、事実上は、実習生の目的と受け入れ企業の目的がミスマッチになっているケースも見られ、技能実習生のモチベーション低下に繋がるような状況も起きています。このような状況下においても、本来の技能実習制度の目的や制度の理解を得て来日し、やる気を持って真面目に対応できている技能実習生もいます。 やる気のある技能実習生のマネジメントの質を上げることや、また実習生から得た活力を日本人社員の意識の向上に繋げること等、技能実習生を受け入れる企業に与えるメリットは広がります。 業務マニュアルの見直しから生まれるメリット 外国人技能実習生を受けれる企業では、日本人社員と共有できる業務マニュアルの改善が必要です。基本的には、言語による共通ルールは、まず始めに見直すことと、習慣やマナーの違いから理解できないルールについては、わかりやすいマニュアル化したルールも必要になってきます。外国人には身に付いていない日本式のルールを徹底し、反復しながらの社員教育を進めます。業務マニュアルの見直しは、現日本人社員にも、改めて業務内容を見直すきっかけにもなり、企業全体の業務の品質向上に繋がります。 海外進出への展開と国際貢献できる企業としてのメリット 外国人技能実習制度の活用は、国際貢献となる活動が企業イメージの向上に繋がり、自社で働く技能実習生との連携によって、将来的なグローバルビジネス拡大への足がかりとなります。技能実習生の母国への関心や実習生との円滑なコミュニケーションから、同じ現地からの外国人採用のためにマーケティングリサーチも可能となります。 技能実習生という個人からの事業展開は、企業のビジネスセンスによって広がりを増すことも可能となります。 監理団体はサポートしてくれるメリット 外国人技能実習制度は、日本の監理団体からのサポートを受けながら進めることができます。実習生の海外からの求人募集から、日本に入国するまでの研修や各種手続き等を請け負い、企業に受け入れ後も継続したサポートを受けられるメリットがあります。 受け入れ企業によっては、初めての外国人社員の雇用では、戸惑いやミスマッチが大きく影響することがあります。監理団体は技能実習生の職場での状況や生活面でのサポートを相談しながらフォローしてくれるので、受け入れ企業が単独で外国人技能実習生を教育したりサポートする負担が拡散することができます。 在留資格の変更も可能であるメリット 外国人技能実習生は他の在留資格へ変更することで、企業の雇用計画に合わせることも可能です。技能実習を修了後も継続して実習生を雇用したい場合には、特定技能に移行することができます。この場合の条件は、技能実習2号までを良好に修了するとと、技能実習の時の業種や作業内容が、特定技能1号の職種が同じであることが必要です。 技能実習生である外国人を、在留資格を移行することで長期雇用できるメリットがあります。 コロナ禍の外国人技能実習生採用のメリット 外国人労働者の受け入れを積極的に進めている日本政府の意向は、コロナ禍の移動制限によって停滞している現状です。現在、その改善策として、在留外国人からの雇用が一般的な流れとなっています。 在留外国人の中でも、技能実習修了者で帰国困難な外国人や、解雇された実習生などに、特例措置として在留資格の移行による緩和策が出ています。 この時期に、外国人採用を検討している企業または、技能実習生を雇用し今後の雇用計画を考えている企業にとっては、技能実習生から在留資格変更による雇用継続や、新たな採用計画が進めることができます。  まとめ 外国人技能実習生を採用した場合のメリットについて解説いたしました。企業の条件にあった外国人が、どの在留資格であれば本人と企業にとってメリットがあるのかを考慮してよいよい採用活動を進めて行きましょう。

技能実習生が失踪する本当の理由とは?問題点と解決策を読み解く

2022-05-11 09:24:27 2453 view
技能実習生が失踪する本当の理由とは?問題点と解決策を読み解く 2022-03-09マネジメント基礎知識 「技能実習生」を雇用することに迷いを覚えることはありませんか。 技能実習制度は単なる労働力を確保するための手段ではなく、技術移転のための国際協力が本来の目的です。しかしながら、実際は技術移転の名目で、労働力として雇用されてきた彼らを取り巻く環境では、「技能実習生の失踪」という大きな課題も抱えています。技能実習生が失踪すると、受け入れ企業はペナルティを抱えることになり、最悪の場合は技能実習生の受け入れ停止措置が下ることもあります。 本稿では、「技能実習生の失踪の現状」「技能実習生が失踪する原因3つ」「失踪を防ぐための解決策3つ」を元技能実習生監理団体職員が解説します。適切な実習生受け入れをして、技能実習生の失踪を防ぎましょう。ぜひ参考にしていただければ幸いです。 外国人材のマネジメント体制の構築に興味や不安がある場合は、こちらもあわせてご覧ください。 技能実習生の不法残留者数は短期滞在資格に次いで2位まず、不法滞在者数の推移と現状を見てみましょう。 2021年1月1日時点では82,868名の外国人不法滞在者が日本に存在しています。推移をみると、2004年、当時の石原都知事下で始まった不法滞在者5年半減計画をきっかけに、219,418人いた不法滞在者は2014年には59,061人へと、約27%まで減少しました。 しかしそこから再び増加に転じ、2021年は対前年比5.2%増となっています。そのうち「技能実習」の不法残留者数は1万3079人と在留資格の中で2位で15.8%を占めます。技能実習生の失踪は国としても大きな問題点であることが分かります。 (参照)「今後の出入国在留管理行政の在り方」令和2年12月 第7次出入国管理政策懇談 (参照)法務省|本邦における不法残留者数について(令和3年1月1日現在) 技能実習生の失踪が起きる原因3つ失踪の原因は大きく分けて3つあります。 技能実習生への制度周知不足、本人たちの制度理解不足 実習期間終了後も日本に在留する方法と考えている 就業企業の劣悪な労働環境、マネジメント力不足 技能実習生への制度周知不足、本人たちの制度理解不足 冒頭でも述べた通り、技能実習制度は、技術移転のための国際協力が本来の目的です。 しかし、技能実習生たちの多くは制度の本来の目的ではなく、「お金稼ぎ」を目的に来日するケースがほとんどです。技能実習制度をよくよく理解せず来日する実習生が存在することはいうまでもありません。 来日後「こんなはずじゃ無かった」状態になり、来日1年足らずで失踪してしまうケースが多い事実があります。 制度の理解が乏しく、制度を上手に活用出来ていないと、受け入れ企業、技能実習生の「日本で働く目的」がちぐはぐなことになってしまい、互いの考えに溝が生まれてしまいます。 実習期間終了後も日本に在留する方法と考えている 実習期間が終了すると、技能実習生は母国に帰国する必要があります。 在留資格である、技能実習1号、2号は1名につき1度しか在留資格を得ることが出来ないため、帰国後も日本で生活をしたい場合は、別の在留資格を取得する必要があります。そのため、技能実習生の中には、技能実習2号(3年間の技能実習)が終わった後も帰国せずに日本で働き続けるために、失踪して不法就労をする人がいます。 就業企業の劣悪な労働環境、マネジメント力不足 技能実習生を受け入れる企業は、人手不足の解消を目的として受け入れるケースも少なくありません。技能実習生を受け入れるにあたり、企業は多くの法律・制度理解(技能実習法、労働基準法など)、実習生を受け入れる業務管理体制が求められます。 技能実習生の多くは「お金を稼ぐ」ことも目的として来日しています。貧しい地域から来日するために借金をして一世一代を賭けている人もいます。「契約書と業務や賃金規定が違う」「最低賃金以下で働かされる」など、労働賃金に対する不満が募ると、より高い賃金がもらえる環境に変えるために、失踪することがあります。 2017年1月から2018年9月にかけて、法務省の「技能実習制度の運用に関するプロジェクトチーム」が、失踪者が出た実習実施機関に対して調査を行いました。1,555の機関(失踪者2,025人)に実地調査が行われ、662の機関(失踪延べ人数937人分)で、以下の不正行為が明らかになりました。 残業時間の不適正や割増賃金の不払い、契約賃金違反など、労働賃金に関係する違反が多くを占めています。 法務省「報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」」,令和2年12月,https://www.moj.go.jp/isa/content/001334958.pdf(閲覧日:2021年12月22日) 失踪を防ぐための解決策3つ 次に、失踪を防ぐための解決策を3つご紹介します。 実習制度の理解を深める 技能実習制度を実習生自身も受け入れ企業側もよくよく理解すれば、実習生の権利を最大限に守ることができます。実習生の在留資格を持っている限りは、日本に滞在する権利が得られ、合法的に3年から5年日本に滞在し、お金を稼ぐことができます。失踪してしまえば、不法滞在者となり、得られるはずの権利ははく奪され、先行きは不透明になります。実習生を雇用する企業や、監理団体、送り出し機関は彼らが制度を正しく理解できるよう、技能実習制度運用要領を読み解き、理解し、継続的に実習生に対しても周知、支援していく必要があると考えています。 技能実習3号、特定技能制度の活用を促す 技能実習1号2号を終了し、技能検定等に合格し、一定の条件を満たせばすれば技能実習3号として2年間の技能実習を追加で行うことが出来ます。また、2019年4月より在留資格「特定技能」が新設され、技能実習2号を修了した技能実習生は特定技能1号への移行が可能になり、在留期間をさらに5年延ばすことができます。 技能実習1号、2号、3号を終了し、特定技能に移行すれば合計で10年日本に滞在することが可能となりました。 これを実現するためには、外国籍人材のキャリアプランについて話し合う機会を持ち、本人の意向を確認し、企業が技能実習生のキャリアに寄り添い、スキルアップをサポートすることで、失踪を減らせる可能性があります。 職場の労働環境の見直し、外国人材管理のノウハウを見直す まずは、一緒に働く日本人の労働環境も含め、技能実習生に適した労働環境であるかどうか社内の状況を見直すことが重要です。 見直しの主なポイントは以下の4つです。 賃金は適切か 労働基準法に違反していないか 技能実習法に違反していないか マネジメントを変えるための社内リソースはあるか 技能実習制度は法律に準拠した管理が求められます。今一度、関係する法律に違反がないかどうか確認することが大切でしょう。不安な場合は一度社労士へ相談をしてみてください。 厚生労働省からも労働基準法の確認方法案内が出ているので、確認をしてみましょう。 (参照)確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト:厚生労働省 就業環境の見直しをしたら、マネジメント体制を確認しましょう。技能実習生は外国人です。外国である日本での労働、生活は初めての人が多く日本人と同じようにマネジメントをしても効果が発揮されないことも多くあります。外国籍人材のマネジメントノウハウが社内にあるかどうかを確認しましょう。  【外国人が仕事しないはウソ】外国人とうまく一緒に働3つのくコツ「外国人は仕事しない」「一緒に働くことがストレス」と感じる主な要因は、日本人と外国人の価値観の違いです。日常的にある具体的なお悩みとアプローチ方法をご紹介します。株式会社リンクジャパンキャリア まとめ 本稿では、技能実習生の失踪の理由、失踪を防ぐためのソリューションについて紹介しました。 技能実習生の失踪理由は主に以下の点です。 技能実習生への制度周知不足、本人たちの制度理解不足 実習期間終了後も日本に在留する方法と考えている 就業企業の劣悪な労働環境、マネジメント力不足 失踪を防ぐためのソリューションは以下の点です。 実習制度の理解を深める 技能実習3号、特定技能制度の活用を促す 職場の労働環境の見直し、外国人材管理のノウハウを見直す 技能実習生の失踪を防ぐために重要なことは、長期的なキャリアのゴールへ向かって企業にとっても、従業員にとっても、メリットあるゴールを設定し、人材育成と労働環境を整えて成長していくことです。ぜひ参考にしていただければ幸いです。 外国人材のマネジメント体制の構築に興味や不安がある場合は、リンクジャパンキャリアへ是非ご相談ください!