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技能実習生に支払われるべき給与と手取り額について

技能実習生に支払われるべき給与と手取り額について

チョー

こんにちは、こちらの記事では海外人材の今について書いています。

是非、気になる方は一読お願いします!

近年では、日本国内で外国人労働者の受け入れを積極的に進めています。その中でも、在留資格として最も多いのが「技能実習」です。

しかしながら、技能実習生が失踪するというケースが急増し、社会問題となっています。失踪の原因としては、賃金が正当に払われていないといった給与に対する不満から来ています。

そこで、今回は技能実習生に支払われるべき給与と手取り額について解説していきます。

 


そもそも技能実習制度とは?

まずは、技能実習制度とはどのようなものなのかをご説明します。

技能実習制度とは、在留資格の一つで、発展途上国の人材に日本の技術を教え、母国に持ち帰り発展に役立ててもらうというものです。

厚生労働省によると、「技能実習制度は、我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、その開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に協力すること」を目的としています。

そのため、技能実習生はあくまで研修生であって労働者ではないですが、賃金は支払う必要があります。

技能実習制度の現状

それでは、次に技能実習制度の現状について見ていきましょう。

残念ながら、技能実習制度は悪質な企業や経営者が規則を守らずに、劣悪な労働環境で実習生を働かせているという事実があります。

平成31年・令和元年に行われた厚生労働省の調査によると、技能実習の実施者の違反事項として最も多いのが、「労働時間」(2035件、21.5%)でした。

「割増賃金の支払」が三番目に多く、1538件で全体では16%を占めています。この他にも「賃金の支払」や「最低賃金の支払」なども多く違反されていることが分かります。

参照:厚生労働省の調査「外国人技能実習生の実習実施者に対する平成 31 年・令和元年の監督指導、送検等の状況を公表します」このように、給与に関する違反も多くあり、これにあわせて実習生の失踪も増えています。

技能実習生の失踪

失踪者数は平成28年の5058人から平成30年の9052人にまでのぼり、増加しています。これには、そもそも技能実習生全体の人数が増えていることも考えられますが、技能実習先で不当な扱いを受けるケースが増えていることも大きく関係しています。

厚生労働省によると失踪する主な原因としては

①賃金等の不払いなど、実習実施者側の不適正な取扱い
②入国時に支払った費用の回収等、実習生側の経済的な事情

であるとされています。

参照:厚生労働省「技能実習制度における失踪問題への対応について」

技能実習制度の賃金条件

それでは、実際に技能実習生にはどのような賃金支払いの条件があるのかを見ていきましょう。

最低賃金

まず、技能実習生にも日本人と同じように最低賃金以上の給与を支払わなければいけません。

最低賃金には二種類あり、①地域別最低賃金②特定産業別最低賃金があります。

このどちらかで、高い方の最低賃金を支払わなければいけません。

例えば、住んでいる地域の最低賃金が950円で、従事しているの産業の最低賃金が900円であった場合には地域別最低賃金の方が高いために最低賃金は950円となります。

この最低賃金以上の給与を支払わなければ、技能実習生の受け入れは停止されるので注意しましょう。

割増賃金

技能実習生を時間外や休日、深夜に働かせる場合には、割増賃金を支払わなければいけません。

厚生労働省では割増賃金について以下の通り定めています。

・ 時間外労働に対しては、25%以上
・ 深夜業 (午後10時~午前5時の労働)に対しては、25%以上
・ 休日労働に対しては、35%以上

この条件で計算した割増賃金を支払わなければいけません。

また、時間外労働については内職として技能実習生に行わせ、割増賃金適用外にすることは許されていません。この内職については入管法上でも、認められていません。

入国する前に、不当な労働契約を結んだとしても、その契約は無効となります。

例えば、入国前に所定労働時聞は時給900円、時間外労働は時給300円とする労働契約を結んだとしても、その額で時間外手当を支払った場合、技能実習生との合意があっても、労働基準法違反となります。

この例では、時間外労働に対して、 900 × 1.25 = 1,125円以上の支払が必要です。

技能実習生の手取り

こちらのアンケート調査によると、技能実習生が希望する手取りの金額は20万程度が最も多いようです。

しかしながら、技能実習生の給与は15万円ほどであるとの報道もあります。

また、この15万円から社会保険料や家賃、光熱費や母国への仕送りもあるため、手取りは10万前後になってしまうでしょう。

このため、技能実習生はギリギリの生活をしなければならず、失踪といった問題にも繋がってしまいます。

実習生と契約する際にも、このギャップを埋めるためにも労働条件はもちろん、今後のキャリアアップや昇給にも触れておきましょう。

 まとめ

ここまで、技能実習生を取り巻く給与・手取事情についてご説明しました。技能実習生を受け入れる際には、しっかりとした労働環境を整え、給与体系についても整備しておきましょう。