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外国人技能実習生の失踪に対するペナルティ

外国人技能実習生の失踪に対するペナルティ

こんにちは、こちらの記事では海外人材の今について書いています。

是非、気になる方は一読お願いします!

外国人技能実習生の需要が高まる中、一方では実習生と受け入れ実習先とのトラブルから失踪者が増加しているという問題もあります。

法務省は、外国人技能実習生受け入れに係わる送り出し機関・監理団体・実習実施先の企業に対して、失踪者を出した場合のペナルティや、受け入れ状況の調査と制度活用の適正化を促進する対策を行っています。

外国人の不法残留者数

法務省公表による2021年1月1日現在の不法残留者数は,82,868人。

就労できる在留資格の中で、技能実習生の不法残留者数が最も多く、国籍別で1位のベトナム人技能実習生の失踪者が目立っています。

技能実習制度では転職が認められていないため、技能実習生に対する様々な縛りから、失踪という手段を取らざるを得ない場合もあり、監理団体と実習実施先の企業からのサポートや、送り出し機関のアフターフォローの必要性が求められています。

外国人技能実習生の失踪者増加の原因

外国人技能実習生の受け入れ増加に伴い、失踪者の増加が問題となっています。

失踪者が増えている理由には、以下のような原因があげられています。

中には、受け入れ企業の知識不足から違反となってしまうケースもあり、受け入れ企業を支援する役割の監理団体と送り出し機関のあり方が問われています。

また、技能実習生本人の個人的な問題もあるため、受け入れ側のサポート体制など、改めて見直すことが必要となります。

失踪者増加の原因
・賃金等の不払い、労働時間の超過など,実習実施者側の不正行為。
・偽変造文書等を使った雇用による不正行為。
・送り出し機関・監理団体・実習実施先の企業が技能実習制度の内容を理解していない。
・外国人技能実習生の個人的な理由。
・外国人技能実習生が入国までに支払った費用が、給料から回収できない等の経済的な事情。

法務省公表の技能実習生の失踪防止策

出入国在留管理庁は、増加傾向にある失踪者を減らすために、『外国人技能実習生失踪防止策』を以下の内容で公表しています。

〇失踪者を出した送り出し機関・監理団体・実習実施先の企業に対しては、新規の外国人技能実習生の受け入れを停止します。

〇外国人技能実習生の失踪者を出した実習実施先の企業名を公表します。

〇送り出し国の悪質ブローカーの防止対策と二国間協定に基づく対応を強化します。

〇外国人技能実習生から賃金等支払い状況や人権侵害がないかヒアリングを行います。

〇失踪者を出した実習実施先の企業より情報を収集します。

〇在留カード番号を活用して不法就労摘発を強化します。

〇外国技能実習生の失踪者は在留資格を取り消します。

〇外国人技能実習生の失踪者は、関係省庁と情報共有します。

〇外国人技能実習生の失踪者の対応を速やかに実地検査等を行います。

〇技能実習制度の厳格化について入管庁から監理団体に対して直接周知します。

技能実習生の失踪によるペナルティ

外国人技能実習生の失踪は不正行為とみなされ、監理団体・送り出し機関・実習実施先の企業それぞれにペナルティが科せられることとなります。

監理団体・送り出し機関・実習実施先の企業に対して、行為の重大性に応じて5年、3年または1年の期間、技能実習生の受け入れが停止されます。

また、失踪者を出してしまった実習実施先の企業と監理団体は、優良認定要件から減点の対象となります。優良認定を取り消された場合、実習生の受け入れ人数の拡大や技能実習3号の受け入れが認められなくなります。

失踪した技能実習生に対しては、在留資格の取り消しと不法残留罪3 年以下の懲役若しくは禁錮若しくは 300 万円以下の罰金とあり、または、強制退去で上陸拒否期間5 年または10 年となっています。

外国人技能実習生の失踪の対応

技能実習生が失踪してしまった場合、以下の項目にそって対応する必要があります。

〇実習実施先の企業は、実習生の監理下の監理団体へ連絡します。
〇警察に連絡し、捜索願いを提出しておく必要があります。
〇外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出書」を提出します。
〇失踪以前までの給与の支払い手続きを行います。
〇失踪し30日経過した場合、雇用保険、社会保険の資格喪失などの退職手続きを行います。

外国人技能実習生の失踪を防止するため

技能実習制度の活用は、適正な実施のもとで技能実習生が実習期間中、不正行為等が起らないような体制が必要です。

技能実習制度内容の見直しを踏まえて新たな在留資格・特定技能が制定され、外国人雇用制度の幅が広がっていますが、受け入れの制度が増えても、日本側の受け入れ企業や支援機関の体制や外国人に対する価値観を変えなければ、外国人の失踪や受け入れ側の不正行為は無くすことは難しくなります。

技能実習生の失踪を防止するためには、制度理解は当然として必要となり、また、外国人に対する人道的な対応と日本人と外国人の相互理解を深めることが最も重要となります。

 まとめ

外国技能実習生の失踪は、技能実習生本人と監理団体・送り出し機関・実習実施先の企業に対してペナルティを科せられるため、今後の外国人雇用活動に大きな支障を来す問題となりかねません。技能実習生を受け入れる際は、失踪者を出さないようなサポート体制と制度理解を改めて見直すことが必要となります。